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0葬(ゼロ葬)

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散骨

お墓を継ぐ(承継)という事

【トピックス:お役にたつ関連情報 】

拾骨の地域差

火葬場から頂いてくるご遺骨の量は地方によって大きな差があります。

北海道、東北、関東、中部地方(愛知県、岐阜県を除く)では、直径20-25cm程度の骨壷に全てのご遺骨を拾骨します(全骨拾骨)。

愛知県、岐阜県、近畿、中国、四国、九州地方では、直径10-15cm程度の骨壷で拾骨し、場合によってはその他にさらに小さい「分骨用骨壺」に一部のお骨を拾骨することもあります(部分拾骨)。

全てを拾骨しない地域では、その他のお骨は火葬場に置いて来ます。必ずしも知られていない習慣です。

【トピックス:お役にたつ関連情報 】

残骨灰に含まれる貴金属

2009年1月13日の朝日新聞には自治体の「遺灰ビジネス」が取り上げられていました。

地方自治体が「残骨灰処理業者が回収した貴金属を納入させてそれを売却」したり、「残骨灰そのものを売却」したり、「業者が回収した貴金属の売却益を市に納めさせるように」したり、という方法。

これにより東京都は約300万円、名古屋市は1000万円、福岡市は340万円の収入になったといいます。

サイト管理人の調査では、地方自治体の残骨灰処理の入札金額が「1円」という例もあり、このような際には貴金属の売却益をもって処理費用とする(自治体にとっては無料で廃棄物処理)という考え方だと思わます。

0葬(ゼロ葬)とは何か

2014年1月、宗教学者の島田裕巳氏が「0葬 ―あっさり死ぬ」を出版しました。これ以前にも「葬式は、要らない」など葬送儀礼に関する著書が多い事、散骨の「葬送の自由をすすめる会」の会長である事などから、この本は出版後大きな話題となり、版を重ねています。この中で島田氏が提唱しているのが「0(ゼロ)葬」。簡単に言うと、『遺骨を火葬場で受け取らない

という考え方です。ご自身はこう説明されています。

「0葬とは、火葬したらそれで終わらせること。遺骨の処理は火葬場に任せ、一切引き取らない方法です。
多くの火葬場では遺骨の引き取りが原則とされていますが、場所によっては引き取らなくても構わないところがある。もともと西日本では部分収骨といって、遺族は遺骨の一部を引き取り、残りは火葬場で処分されるのが一般的です。処分方法はさまざまですが、契約した寺院の境内や墓地に埋めて供養しているところもあります」(島田氏)
「0葬に移行することで、私たちは墓の重荷から完全に解放される。墓を造る必要も墓を守っていく必要もなくなるからだ。ゆえに、遺族に負担がかからない。
私たちは必ずしも墓が必要だと思うから、それを造っているわけではない。遺骨が残ることでそれを葬る場所を必要としているから、という面が強いのだ。だからこそ、『千の風になって』という歌が流行ると、それを葬儀や納骨のときに歌う人が増えたのだ。この歌の歌詞は「故人が『私はお墓に眠ってなんかはいない』と訴える」というのが趣旨である。この歌が2007年年間売り上げ約113万枚の大ヒットという形で支持されたように、皆、墓に故人がいるとは考えていない。千の風になって、もっと自由になった、あるいはなりたいと考えているのだ」(島田氏)

受け取らない遺骨はどうなるか

これ、気になりますよね?

0葬(ゼロ葬)でなくとも、火葬場ではいくらかのお骨が残るものです。さらに愛知県以西の地域では拾骨する量が少ないので、かなりのお骨が火葬場に残されることになります(詳しくは右のTOPICS参照)。成人男性の場合お骨は1.5kg位以上ありますが、関西地方の方法ですと、800gから1kg以上は火葬場に残していることになります。平成24年の人口動態統計によると、この地域の死亡者数は60万人近くになりますので、年間500トン以上にものぼる拾骨後の遺骨(残骨灰)が火葬場に残され、何らかの形で処分されている事になります。

法的な問題

法的な問題に言及しますと、所有権としては、「拾骨前のご遺骨はご遺族の物、拾骨後は市町村の所有」となるようです。また、お骨の扱いについては、骨壺などに収骨した以外のお骨は『不用品若しくは廃棄物(一般廃棄物)として処分することができる』との事ですが、遺族感情を考慮して、「墓地埋葬に関する法律」に準じた扱い(納骨)が望ましいとの厚生労働省の非公式見解があるようです。

最終的な行方

さて、その遺されたご遺骨の行方は、となるわけですがこの辺りになると、都市伝説を含め、諸説さまざまがあります。よくネット上にあるのが「産業廃棄物として処理されて(捨てられて)いる」というもの。かつては産業廃棄物として焼却後埋め立て、あるいは「野ざらし」など、不適切な例もあったそうですが、現在はご遺族のお気持ちや、環境への影響を考えて、礼節をもって処理されているようです。

現在、残された残骨灰は専門の処理業者が、貴金属(歯、指輪、人工の骨や関節には、金、銀、パラジウムが含まれている)のリサイクルを行い、有害物質(ダイオキシン、六価クロム、カドミウム、鉛、砒素)の除去などを経た後、粉末化されて、火葬場内の専用施設や地面への埋蔵、自治体の墓地、寺院に埋葬されているようです。

各自治体の残骨灰処理事業の入札条件を見ると、自治体が最終的処分場所を提供していない場合には、最終的に「適当な供養がされた」ことが分かるような資料(例:写真)を提出するように求められており、各寺院等での残骨灰収納施設がこのような業者によって建立されている事の理由の一つと思われます。

いくつかの例を紹介します。

曹洞宗大本山總持寺祖院

石川県輪島市にある名刹。明治時代に鶴見総持寺へ本山が移される前は、ここが曹洞宗本山だったそうです。この寺院には上記のリサイクル業者の業界団体である「自然サイクル保全事業協同組合」が設立した設立した「全国火葬場残骨灰諸精霊永代供養塔」があります。毎年1回寺院の全僧侶による法要が営まれているそうです。

京都市中央斎場焼骨灰埋葬施設

京都市の中央斎場の敷地内に「聖土槽」という残骨灰の収納施設を建設してある。拾骨後のお骨の処理は入札で一般業者が行う。実際のお骨の保管場所はここであるが、毎年春夏2回の彼岸に、京都仏教会と京都中央葬祭業協同組合の共催により彼岸焼骨灰供養法要が行われて、毎回1000名以上のご遺族が参加されるようです。場所は、春の法要は臨済宗相国寺、秋の法要は浄土宗永観寺で交互に行われているらしく、こちらに「供養塔」があるようです。つまり、残骨灰の収蔵場所とは別の場所で供養を行っているということです。この法要は、「京都市中央・宇治市斎場焼骨灰供養法要」となっているので、宇治市斎場にも同様の施設があると思われます。

明治の森霊園

2014年に設立された「一般社団法人 全国環境マネジメント協会」が設けた霊園内の残骨灰の埋葬地。2014年10月9日、開眼式ならびに供養祭が執り行われました。

0葬を実行するには

では、実際0葬を行うとしたらどんな事を考えておかないといけないでしょうか。

自治体として0葬を受け入れる体制になっているか

葬儀社を通じてか直接火葬場に「遺骨を引き取らない」と申し出る事になりますが、本当に出来るのでしょうか。

全国各地の自治体の「火葬場条例」には必ず「焼骨の引取り」という項目があります。ネット上に公開されている条例を数多く検証してみると、引取りに関する条例は次のような内容に集約されています。

  • (1)火葬後すぐ(あるいは指定日時に)焼骨を引き取らなければならない
  • (2)引取りがない場合、市長は、(ある程度の期間経過後)焼骨を処分(又は適宜措置)することができる。
  • (3)処分(又は適宜措置)した場合、費用を申し受ける

(1)だけの自治体、(1)と(2)の自治体、(1)(2)(3)がある自治体(まれ)があります。(2)があれば引き取らない場合の条項がありますから、引き取らないことが出来るのだろうと想像できますが、(1)だけの自治体の場合、引取りしないことが出来るのか、そのあたりは各自治体に問い合わせる必要があります。ネット上の体験談で、「市役所にて確認したところ、「遺骨不要」には対応していないといわれた」などが散見されることがある事から、断られることもあるということが出来、事前の確認が必要です。

家族として0葬を受け入れる体制になっているか

「私は0葬がいい」という人は思ったよりいるのではないかと思います。それこそ、このサイトの目的である「お墓のお悩み」自体を根本からスパッと解決してくれるように思えるからです。ところが、0葬を実際に行うことはなかなか(良い、悪いではなく)ハードルが高いのではないかと感じます。

それでも実現されるとしたら、一つの可能性は、この0葬を信じる人が、実現の準備をしていくケースだと思います。

「私は0葬がいい」と言っても、実際それを実現させるのは遺された家族です。0葬希望者は、事前に自分の遺骨の行方に関する考え(哲学?)を家族に理解してもらって、自らの死に確実に実行してもらうようにしなければいけません。また、心ある人物であれば、遺された家族が、親族や友人から「非常に心無い人間」と思われることにも気を配る(これは本人の意思であって、家族はそれを尊重しているだけだと理解させる)必要もあるでしょう。

故人の意思とは別に、0葬を行うのはさらに困難かもしれません。「遺された者が唯一の親族」でなければ、亡くなってから火葬されるわずか数日の間に、家族の間でコンセンサスを得ないといけないのですから。大切な人が亡くなり、その衝撃の中で、このような大切で、そして後からやり直すことの出来ない選択をするのはなかなか難しい事だと思います。このサイトで紹介する他の選択肢には充分な検討時間が与えられていますが、0葬は火葬の時点で意思がはっきりしていないといけないのですから。

0葬を信じる人、そしてそれを「お墓の問題解決」として実行に移す人は現れるのでしょうか。逆に、故人が本当に家族から疎まれ、憎まれいていた、それゆえの遺骨受け取り拒否だ、というほうが理解しやすいほどです。2010年にNHKが報道した「引き取り手のない遺体」は、全国で年間3万1千体。親族が遺体を引き取ることを拒否した場合、遺体は自治体によって行旅死亡人と同様の扱いで火葬のみ行われ、無縁墓地等の集合墓に埋葬されます。結果的には0葬ですが、これは0葬とは別のカテゴリーに属す事柄と考えます。

さらに詳しく検討してみたい方は

0葬提唱者の島田裕巳氏が代表を務める葬送の自由をすすめる会をご覧になると、「0葬」に関する解説があるほか、東京、千葉で連絡会が発足しています。また島田氏自身の「0葬セミナー」等も行っているようですので、こちらをチェックしてみてください。